
皮膚は外界との境界をなす臓器であるため、外界からの刺激や微生物により種々の疾患を生じます。また内科的疾患の影響を受けて生じる病気も多く、皮膚科で診療する疾患の数は100を超えます。代表的なものは湿疹/皮膚炎、細菌/真菌(かび)/ウイルスなどの感染症、良性および悪性の皮膚腫瘍などです。外来診療が主体となりますが、皮膚腫瘍、水疱性疾患、重症の皮膚炎や薬剤アレルギー、蕁麻疹、重症感染症(蜂窩織炎、帯状疱疹、等)、などでは症状に応じて入院のうえ治療いたします。下記のように皮膚疾患全般にわたって幅広く診療していますが、特に皮膚腫瘍の診断と治療に力を入れています。
ひとことで皮膚がんと言っても実際にはさまざまな悪性度の皮膚がんがあり、さらにそれぞれの皮膚がんでも進行度により予後は大きく変わります。岡山医療センター皮膚科では皮膚悪性腫瘍指導専門医が中心となって診断/治療を行っており、正確に診断して進行度を把握したうえ、ひとりひとりの患者さんに適切な治療(手術、放射線治療、抗腫瘍剤による治療、など)を選択するようこころがけています。
センチネルリンパ節生検という、リンパ節転移の早期診断を目的とする新しい診断方法も導入しています。
皮膚腫瘍の診断では良性の腫瘍か、悪性の腫瘍(いわゆるがん)かを区別することが重要です。
まず、後で述べるダーモスコピーや皮膚超音波検査装置などの非侵襲的検査を用いて診察し、必要に応じて病理組織検査(皮膚生検)を行います。良性の腫瘍でも大きくなる可能性のあるもの、悪性になる可能性のあるもの、生活上支障のあるものなどに対しては、それぞれの疾患に応じた治療を行います。
皮膚疾患の中には慢性・再発性に経過するものがあり、生命にかかわらなくてもしばしば日常生活の質に影響を与えます。種々の外用剤および内服剤による薬物療法に加え、紫外線療法などを組み合わせながら治療にあたっています。
近年、種々の皮膚疾患に対する有用性が証明されている紫外線治療機器のナローバンドUVB照射装置も導入いたしました。
全身性疾患である膠原病や血管炎は皮膚症状でみつかることが多く、皮疹からは診断を確定するうえで重要な情報が得られます。膠原病内科などと連携して診断・治療してまいります。
周産期医療が充実している当院では、先天性の小児皮膚疾患(先天性水疱症、白皮症、角化症、など)を経験することも多く、各専門の医療機関と連携して診断・治療をサポートしています。
湿疹・皮膚炎:アトピー性皮膚炎、かぶれ、その他皮膚科では視るだけで診断がつく疾患もありますが、疾患によっては以下にお示しするような検査を用いてより正確に診断します。
特殊な拡大レンズを使って皮膚病変を拡大し、詳細に観察します。
特に皮膚腫瘍の診断に有用です。
皮膚腫瘍、リンパ節の腫れ、などの診断に用います。
局所麻酔をして米粒程度の小さな皮膚を採取し、組織診断します。
視ただけで診断の難しい疾患では、しばしば診断根拠となります。
水虫などの真菌(カビの1種)を証明します。
ヘルペスなどのウイルス感染症などで行います。
かぶれ、薬剤、食物などの原因検索に役立ちます。
紫外線に対する過敏症(アレルギー)を調べます。
皮膚がんのリンパ節転移を早期に診断します(前述)。
145件。 内訳:皮膚悪性腫瘍47件、皮膚良性腫瘍76件、その他22件
皮膚悪性腫瘍、皮膚良性腫瘍、じん麻疹/紅斑症、細菌およびウイルス感染症、褥瘡、湿疹/皮膚炎、水疱症、血管炎、など